明治の終わりから昭和にかけて、東濃地方は養蚕がとても盛んでした。 中津川においても養蚕を行なう農家が沢山あったといいます。 しかし平成に入り養蚕は衰退の一途を辿り、 今ではたった2軒の農家だけになってしまいました。 |
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●後藤さんの蚕
中津川市徳原に住む後藤庄平さんは、 中津川市内2件の養蚕農家のうちの1軒です。
毎年5月から9月にかけて、繭を3回出荷しています。
体長2センチほどの蚕。起きている間はえさの桑の葉をもりもりと食べ、見る見るうちに大きくなります。
家の前は蚕のための桑畑。1日に4回桑の葉を与えるため、広い桑畑が必要です。
今年は遅霜で、桑があまりよくてねえ・・・。と後藤さん。桑が育たなければ蚕を飼うことができません。
![]() | 後藤さんのお宅は、中津川でも山の中。3年生の子供達は、小学校から約4kmの道のりを1時間半ほどかけて登ってきました。 中津川の市街地とは違い、とてものどかな風景です。 |
![]() 蚕をそっとさわってみたら・・・・冷たいよ。 |
![]() 蚕をそっとさわってみたら・・・・冷たいよ。 |
![]() 「蚕がえさを食べるときは音がするの?」 後藤さん「今も静かにしていると聞こえるよ。もっと大きくなるとザーザーと雨が降るような音が聞こえるんだよ」 |
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●養蚕最新事情
中津川市坂本にある広域稚蚕共同飼育所におじゃましました。 ここでは中津川をはじめ、恵那、山岡、福岡の養蚕農家のために、 養蚕の中でもっとも神経を使う孵化から3令目(脱皮を2回した)蚕を飼育しています。
工場のように見えるこの建物の中は、稚蚕の飼育に適した温度・湿度に保たれている。
生まれて4日目の蚕の赤ちゃん。体長は1センチにも満たない。
蚕の卵はこのシートの上に張り付けられている。
稚蚕専用の人工飼料。桑の葉を食べるようになるのは、もっと大きくなってから。
この棚1枚に、26000匹もの蚕が飼われている。
えさやりの様子。1日眠り2日起きている蚕。起きている間はえさを食べ続けている。
●繭ができるまで
蚕は、卵が孵化してから約1ヵ月間で4回の脱皮を繰り返し、やがて絹織物や絹糸の原料となる繭を作り始めます。 繭ができあがるまでに約3日間。 それからさらに2~3日かけて繭の中でさなぎになります。完全にさなぎになったら出荷されます。
●中津川の養蚕を支えた風穴
古代の街道、東山道の神坂峠に向かう途中、いくつもの洞穴があります。 これは明治から大正にかけて近くに住む人たちが、道ばたの石を集めて作ったもので、風穴(ふうけつ)と呼びます。 この風穴はいわば天然の冷蔵庫。秋用の蚕の卵をこの風穴の中に入れ、低温保存していたのだそうです。 海抜800~1500メーターくらいがもっとも蚕に適しているようで、30あまりの風穴が街道沿いに並んでいるところもあります。
●こぼれ話 かわいそうな蚕のお話
白く輝くきれいな繭。蚕は繭の中でさなぎになります。でも絹に必要なのは繭だけ。それではさなぎは・・・・?
むかし、養蚕は農家の重要な副収入でした。仕事はきつくても、現金収入があるというのは、どこの農家にとっても魅力だったようです。 そしてもうひとつ・・・ さなぎが家族の健康を守る重要なタンパク源となっていました。山間地の農家にとっては大切なおかずだったのです。
蚕のおいしい?食べ方
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